限られた予算内で介護施設入居者の安全と快適性、そしてスタッフの負担軽減を実現するためには、適切な介護ベッドの選定が重要です。
ここでは介護ベッドの種類や機能、費用の目安、そして購入とリースの比較をわかりやすく解説します。高齢者や身体障がい者が安心して過ごせる環境を整え、介護現場の効率化を目指すためのポイントをご紹介します。
介護ベッドの種類と特徴を理解しよう
介護施設で使用するベッドには、利用者の快適さとスタッフの負担軽減を目的としたさまざまな種類があります。
まず、介護ベッドの基本的な種類とその特徴について理解しておくことが重要です。
電動ベッドのメリットと種類
介護施設では、電動ベッドの導入が一般的です。電動ベッドはリモコン操作で背上げや高さ調整が可能なため、利用者の体位変換が楽になり、スタッフの腰への負担も軽減されます。以下の2つのタイプが主流です。
3モーター電動ベッド: 背上げ・脚上げ・高さ調整が独立して行えるタイプ。スタッフの作業負担を軽減し、利用者も快適に使用できます。
2モーター電動ベッド: 背上げと脚上げの調整が可能ですが、高さ調整は手動。コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
手動ベッドの選択肢
電動ベッドに比べてコストが抑えられる手動ベッドも存在しますが、介護施設での導入にはスタッフの労力が増えるため注意が必要です。予算に制限がある場合や、短期間の使用には向いています。
介護ベッドの選び方:機能とポイント
介護施設では、入居者の安全性と快適性、そしてスタッフの負担軽減を図るため、適切な介護ベッドの選定が欠かせません。多機能なベッドを導入することで、ケアの質と効率を向上させることができます。
施設運営に役立つ介護ベッドの機能と選び方について解説します。
高さ調整機能の重要性
理由: 介護現場では、入居者のケアや移乗の際に、スタッフが中腰の姿勢を取ることが多く、これが腰痛の原因となりやすいからです。
高さ調整機能が備わっている介護ベッドを導入することで、ベッドの高さをスタッフの身長に合わせて調整できるため、腰にかかる負担を大幅に軽減できます。
また、入居者がベッドから立ち上がる際には、ベッドの高さを下げることで、転倒のリスクを低減することが可能です。これは特に、脚力が衰えている高齢者や身体障がい者にとって重要なポイントです。
おすすめ: リモコンで操作できる電動タイプの高さ調整機能を持つベッドを導入することで、スタッフの負担が軽減され、効率的なケアが実現します。
また、利用者自身がリモコンで高さを調整できることで、自立支援にもつながり、入居者のQOL(生活の質)を向上させることができます。
背上げ・脚上げ機能の利便性
メリット: 背上げ機能により、入居者が無理なく起き上がれるため、食事やテレビ鑑賞、会話を楽しむ際に快適な姿勢を取ることができます。
これにより、ベッド上での生活の幅が広がり、入居者の心理的な負担が軽減されます。また、脚上げ機能は、脚のむくみや血行不良を軽減するのに役立ちます。血流を促進することで、健康維持に寄与し、長時間寝たきりの入居者の健康状態を改善します。
推奨: 背上げ・脚上げの機能は、褥瘡(じょくそう)の予防にも効果的です。特に寝返りが困難な入居者に対しては、これらの機能が備わったベッドを選定することで、褥瘡のリスクを軽減し、スタッフの体位変換作業の負担を減らします。
サイドレールと転落防止の必要性
重要性: 高齢者や認知症の入居者が多い施設では、夜間の転落事故が多発しがちです。サイドレールを装備することで、入居者が寝返りを打った際や、無意識にベッドから起き上がろうとした際の転落防止に役立ちます。
また、レールを片側だけ下ろすことで、スタッフが安全かつスムーズに入居者を介助できる設計になっているものもあり、現場での使い勝手が向上します。
補足機能: 最新の介護ベッドには、センサー付きのサイドレールもあり、入居者がレールに触れた際に通知が届く仕組みがあります。これにより、夜間の巡回を効率化し、スタッフの負担を減らしつつ、入居者の安全を守ることができます。
体圧分散型マットレスの選定
効果: 介護施設では、長時間ベッドに横たわったままの入居者が多いため、瘡褥の発生リスクが高まります。
体圧分散型マットレスは、入居者の体重を均等に分散させることで、特定の部位への圧力を軽減し、褥瘡の予防に効果的です。これにより、入居者の快適な睡眠が確保され、施設のケアの質が向上します。
選び方のポイント: 施設管理者は、耐久性や清掃のしやすさも考慮して、マットレスを選定する必要があります。
特に、防水仕様でありながら通気性の良いマットレスは、入居者の衛生環境を保ち、メンテナンスの負担も軽減します。また、体圧分散マットレスには、エアマットタイプもあり、定期的な空気の入れ替えにより体圧を調整することで、さらに褥瘡予防効果を高めることができます。
介護ベッドの費用目安:購入とリースの比較
介護ベッドの導入にはコストがかかります。ここでは、費用目安を示し、購入とリースのメリット・デメリットを比較します。
購入の場合
電動ベッドの費用は10~50万円が一般的です。基本機能を備えたタイプが10~20万円、3モータータイプの高機能ベッドでは30万円以上が目安です。
手動ベッドは比較的安価で、5~15万円程度で購入可能です。
購入後はメンテナンス費用が別途発生するため、長期的な運用コストも考慮しましょう。
リースの活用
リースでは初期費用を抑えられ、月額1~2万円程度から利用可能です。短期間の利用や施設のリニューアル時には、リースが有効です。
リース契約には、メンテナンスが含まれている場合が多く、故障時の対応がスムーズです。ただし、長期間利用する場合は購入の方がコスト効率が良い場合もあります。
介護施設の施設管理者が知っておくべきポイントまとめ
介護施設において、利用者の快適さとスタッフの負担軽減を両立させるためには、適切な介護ベッドの選定が欠かせません。
以下のポイントを踏まえて、最適なベッドを選びましょう。
ベッドの種類と機能を理解し、施設のニーズに合ったものを選定。
費用目安を把握し、予算内で効果的な導入を検討。
利用者の安全性を確保するため、サイドレールやマットレスにも注意。
リースと購入のどちらが適しているか、施設の運用計画に合わせて選択。
まとめ
介護ベッドの選定にあたっては、種類や機能、費用の目安をしっかりと理解することが大切です。利用者にとって安全かつ快適な環境を整え、スタッフの負担を軽減しましょう。
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